Aztec cameraと「ラヴァーズ・ロック」

「Aztec camera」
1980年代初頭、ネオアコースティック・ムーブメントの中核的存在でした。

この曲を初めて聴いた時から30年余り。
今でも、ロディ・フレイムが私の青春であり心の王子様であることに変わりはありませ~ん。

Walk out to Winter


↑上がっては削除されを繰り返している動画なので、
突然観られなくなる可能性大です。懲りずに貼りますよー。

当時、中学生だった私のお小遣い3000円は、毎月ではなかったにしろ
2500円で洋楽のアルバムを買い、残り500円で「ミュージックライフ」という
洋楽情報誌を買って無くなりました。
ほんのり色が付くリップクリームも欲しいお年頃ではありましたが、
それよりも何よりも、音楽が聞きたくて、毎日毎日FMを流していました。
そして、「ん?これは・・・!」という曲は録音ボタンを押して、
曲の途中からでもカセットに収めたりして、ある程度は満足して聴いていました。
しかし、アズテックカメラのこの曲を初めて聴いた時、
エアチェックした音源では物足りず、私は次の日お小遣いを握りしめて
レコード屋に走っていました。

漫画を描く道具は、この頃はまだ持ってなくて
絵はもっぱら、安い束で売っている大学ノートに描いてました。
B4の真っ白な紙に、思いっきり絵を描くのが夢でしたね~。
でも、当時の私にとってそれは2500円のレコードよりも贅沢だったんです。

コマを割った漫画を自己流で描いてはいましたが、
物語を最後まで完成させた事は一度もなく、
将来はデザインの仕事に就くのでは?とか、洋服を扱う仕事もいいななど、
ぼんやり考えていて、絶対に漫画家になる!・・・とは思っていませんでした。

・・・が、中3の時に大きなきっかけがあって、
とある少女誌の大阪で開催される移動漫画教室に招待されたんです。
(女の子のイラストを描いて送ったら呼んでもらえました)
そこで、「できる範囲でいいからストーリー漫画を描いて持ってきて」と
編集さんに言われたんです。
すると、俄然母が協力的になり、5000円分の漫画の道具を買ってくれました。
真っ白なケント紙、必要最低限のスクリーントーン、ペン先、インク。
すごく嬉しかったことを覚えています。

昼間は学校があるので、当然作品は完成させられなかったけれど、
「頑張れば、高校2年生の終わりにはデビューできるかもしれない」と
編集さんに言われ、そこで初めてプロの道への現実味が帯びてきた、
そんなスタートでした。
当時は高校生で漫画家デビューってちっとも珍しくなかったんですよ。

しかし、後押ししてくれた雑誌には2本投稿しただけで、
ずっと読み続けていた講談社の雑誌にターゲットを変えました。
なんと、「なかよし」に投稿してたんですよ。
でも、自分の年齢も上がり、等身大の物語が描きたいと思い始め
「別冊フレンド」にシフトしたわけです。


直貼り出来ず。よければ飛んで観てください。


そして、この曲と、ついでに書くとTears For Fearsの「 head over hills 」を
聴くと漫画賞の授賞式で初めて東京に行った時の、当時の新宿や原宿や
講談社近辺の空気が蘇ります。
あ、あと、ここで書いたNick Heywardですね。
それほど作画のお供に聴いていたのでしょうね。



1992年に描いた60p読み切り「ラヴァーズ・ロック」の作中で
アズテックカメラの「Deep & Wide & Tall 」を使わせていただきました。

一般にラヴァーズ・ロックというと、甘美な恋愛を唄った
レゲエのサブジャンルの事で、アズテックカメラの括りとは違うのですが、
この場合「恋人たちのうた」的なニュアンスでタイトルを解釈していただけると
ありがたき幸せ。
当時、たしかジャネット・ケイなんかも聴いていたので、
主人公の名前を「ケイ」にしたのだったかな?
良いですよね、ラヴァーズ・ロックも。

私の作品の「ラヴァーズ・ロック」は、
まだ駆け出しの無名の小説家の主人公と、
音楽業界で芽の出始めた彼とのラブストーリーです。
今なら、彼の成功を手放しで喜んであげられるけど、
22~23歳くらいの私はこんな感じで物事を捉えていたのだな。
ふ~ん、へぇ~。ほんと、恥ずかしいワ・・・。
そう思うと、自分の漫画って日記を読まれてる感覚ですね。

この作品でアズテックカメラの曲を使ったのはなぜだろう、と思い出してみた。
本来ならばもっとべたべたのラブソングの方がしっくりくるはずなんだけど、
何が何でもアズテックカメラを使いたかった。

それはきっと、アズテックカメラをよく聴いていた駆け出しの頃の自分と、
成功を夢見るこのお話のカップルを重ねたかったんだと。



ラヴァーズ・ロック

早坂いあん /講談社

1992年作品。読み切り全3編収録


古い作品ですが、よろしければ読んでやってください。(←低姿勢)


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